写真集発売記念握手会の整理券配布方法について

2月10日に、さゆの写真集の握手会が渋谷と大垣で行われました。
昨日、その握手会に参加する友達からとある問題があることを教えてもらったので、そのことについて書いてみたいと思います。

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■ 事前知識
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イベントは 2月10日(日)朝10時 文教堂書店・渋谷店 で行われるイベントで、整理券発券開始 1/27(日)朝10時から配布だった。

写真集の握手会では、握手会が始まった直後の10人ほどと握手している様子を取材カメラが撮影するため、通常よりゆっくり握手できる暗黙の特典がある。

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■ 本題
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友達は渋谷のイベントに参加するために、始発で並んで8番目くらいだったらしい。
普通に考えれば、この時点で握手会が始まった直後の10人には入れるわけですが…。
ここからがおかしな話。

整理券の配布が始まるとき、店側が1人最高10枚まで予約可能というルールを提示したため、整理券番号は40番台だったとのこと。

さて、1人が1度に10枚予約する、1人が10回並び直して10枚予約すること、これは同じ事でしょうか?
これは、同じようで全く違う結果を生みます。

1度に10枚予約した人が、握手会の時に10回並び直してくれるなら特に問題ありませんが、実際には知り合いに譲るため、握手会が始まった直後の10人には、整理券配布時点で並んでいなかった人が何人も現れます。
理論上、先頭の1人と知り合い9人で埋まる可能性もあるということです。

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■ それぞれの立場で考えてみる
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友達にしてみれば、通常よりゆっくり握手できる「握手会が始まった直後の10人」には入れないわけですから、わざわざ始発で行って並ぶ必要性自体が無かったということになります。

逆に、先頭付近の人にしてみれば、店側が決めたルール通りに予約し、手に入れた権利だから、友達に譲っても問題ないということになります。

さて、どちらに分があるか?

ここで、注意事項をじっくりと読んでみると、以下のような項目がありました。
「整理券の転売行為は一切禁止とさせて頂きます。」
「転売チケットと発覚した場合、イベント参加をお断りいたします。」
厳密に言えば、知り合いに譲ったことも転売と言えば転売。

しかし、きっとこれは営利目的の転売を対象とした一文だと思うので(営利目的とは入っていませんが)、その点は考慮の対象にはならなさそうです。

運営側も、できるだけ多く売りたいでしょうから、知り合いのために整理券を譲ること自体を禁止する意図はないと考えたほうが自然でしょう。

ということは、やはり特に問題は無かったのでしょうか?
でもなんかモヤモヤが残ります。

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■ イベントのコンセプトや、運営側の意向
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こういうときに焦点となるのが、イベントのコンセプトや、運営側の意向です。
視点をかえて掘り下げてみましょう。

運営側や店側は「握手会が始まった直後の10人」が、理論上は先頭の1人と知り合い9人で埋まる可能性があることをどのように考えていたかです。

つまり、事実をそのままズバリ、整理券配布時に並んでいなかった人が「握手会が始まった直後の10人」に入り、始発で来て並んでいた人が、その後ろになることに特に問題を感じたりはしないか?

もう少しシンプルに言うと、基本的には整理券を取りに来た人に握手券付きの写真集を販売するコンセプトではないのか?

また、1人10枚まで予約可能にした目的は、同じ人に1枚ずつ何度も並び直して予約してもらう無意味な手間を減らすためのもので、若い番号の整理券を他人に譲ることは想定していなかったのではないか?

何となく店側は「握手会が始まった直後の10人」より予約の手間のほうを意識していそうな気はします。

本当は、こういった点を現場のスタッフさんに確認しておけると考えやすくなるので、疑問があるときは積極的に聞いておくことをオススメします。
でも、決して問い詰めちゃダメですよ。
あくまで、イベントのコンセプトや、運営側の意向を理解することが目的ですから。

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■ 失うものの大きさを考えてみる
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さて、まだモヤモヤが解消されないので、再び発想をかえて、失うものの大きさという比較をしてみましょう。

これは、恩恵を得られる方で考えると差を見出せないことでも、失う方で考えるとよりハッキリとした差が見えてくることがあるということです。

つまり、始発で並んでいた人が「握手会が始まった直後の10人」に入れない場合と、知り合いから譲り受ける人が「握手会が始まった直後の10人」に入れない場合、差があるかということ。
※握手自体はできるとして

始発で並んでいた人は「待ち時間」を失ったことになる。
知り合いから譲り受ける人は特に失うものはありません。
これは結構大きな差になりますね。

今回のモヤモヤの正体はこれと言えそうです。

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■ まとめ
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公平性を考慮しつつ、それぞれの立場から要件を抽出すると以下のようになります。

・整理券を知り合いに譲れるようにしたい
・実際に並んでいた人だけに「握手会が始まった直後の10人」に入れる恩恵を得られるようにしたい
・店側は同じ人に何度も並び直して予約してもらう手間を掛けたくない

それぞれの立場から見て、この内容に合意できれば、あとはこの要件を満たすルールを作成すればいいわけです。
例えば「1度に10枚予約できるが、2枚目以上の整理券は100番台から配布する」とか。
要件を満たせれば手段は柔軟に変化させても、達成できる目的に変化がないので、問題ありません。
これは、目的を達成しつつ、自由度が最大限に確保されているということを意味します。

今回は、極力主観や感情を除き、それぞれの立場から、それぞれの目的をできるだけ正確に抽出し(可能であれば当事者に聞く)、それらの要件を満たす手段を考えられる段階までの流れを書いてみました。

こういうスタイルであれば、何か問題があったとしても、悪者探しをすることなく、問題解決に近づけることができるのではないでしょうか。

もう少し文章をうまく構成したかったけど・・・精進せねば。

投稿者:misuken 2013年02月11日 14:47

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